当直明けに「iDeCoは節税になる」「新NISAは自由度が高い」と聞いても、毎月の積立に回せる金額には限りがあります。どちらを先に満額にすべきかは、制度の優劣ではなく、**あなたの所得に最後にかかっている税率(限界税率)**と、60歳まで引き出せなくても困らない資金がいくらあるかの2点でほぼ決まります。この記事では、年収1,500万円の勤務医、非常勤中心の医師、開業医の3パターンでiDeCoの所得控除の効果を国税庁の速算表から計算し、流動性との兼ね合いで順番を決める手順を示します。制度の数値は、金融庁・国民年金基金連合会・厚生労働省・国税庁の公表資料(2026年10月2日取得)で確認しています。
結論: 限界税率が高く、60歳まで動かさない資金があるならiDeCoが先
先に答えを示します。iDeCoと新NISAは「運用益が非課税」という点は共通です。違いは、iDeCoには拠出した掛金がその年の所得から全額差し引かれる入口の優遇がある一方、原則60歳まで引き出せないという制約があることです。
国税庁は、確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金(iDeCoの掛金)を小規模企業共済等掛金控除の対象とし、控除できる金額は「その年に支払った掛金の全額」と説明しています(国税庁 タックスアンサーNo.1135 小規模企業共済等掛金控除)。所得控除の効果は「掛金×限界税率」なので、同じ月2.3万円でも、限界税率が高い人ほど戻ってくる税額が大きくなります。
一方、新NISAには入口の控除はありません。代わりに、売却はいつでもでき、売却した分の簿価は翌年以降に非課税枠として復活します(金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」)。住宅購入、開業資金、留学、子どもの教育費のように、60歳前に使う可能性のあるお金を置く場所としては新NISAのほうが向いています。
整理すると、判断は次の順で進めると迷いません。
- 60歳前に使う予定の資金(生活防衛資金、開業・住宅・教育の頭金)をまず確保する
- それとは別に「60歳まで触らなくてよい」と言える月額を出す
- その月額の範囲で、限界税率が概ね20%台以上ならiDeCoの上限を優先する
- 残りを新NISAに回す。手元資金に余裕がない時期は新NISAを先にする
ここで言う「先」は、どちらか一方だけを選ぶという意味ではありません。年収の高い医師の多くは両方を使えます。問題は、積立に回せる金額が限られている時期にどちらの枠を先に埋めるかです。
新NISAとiDeCoの制度の違いを3点だけ押さえる
制度の細部は多岐にわたりますが、順番を決めるのに必要なのは「入口」「運用中」「出口」の3点です。
入口: iDeCoは所得控除、新NISAは控除なし
新NISAの投資枠は、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円で、合計年360万円です。生涯の非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円が上限です(金融庁「NISAを知る」)。ここに所得控除はありません。
iDeCoは、掛金が全額所得控除になります(国税庁No.1135)。掛金は月5,000円以上1,000円単位で、加入区分ごとの限度額の範囲で設定します。掛金額の変更は1年(12月分から翌年11月分)に1回で、拠出を止めることはいつでもできます(iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」、国民年金基金連合会)。
運用中: どちらも運用益は非課税
金融庁は、通常は株式や投資信託の売却益や配当に約20%の税金がかかるところ、NISA口座での利益は非課税になると説明しています(金融庁「NISAを知る」)。iDeCoも運用中の利益に課税されない点は同じです。運用中の差は小さいため、順番の判断材料にはなりにくい部分です。
出口: iDeCoは受け取るときに課税の可能性がある
ここが見落とされやすい点です。新NISAは売却しても非課税のままですが、iDeCoは受け取るときに課税対象になります。一時金で受け取ると退職所得とみなされ(国税庁 タックスアンサーNo.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得))、年金で受け取ると公的年金等の雑所得になります(国税庁 タックスアンサーNo.1600 公的年金等の課税関係)。退職所得控除や公的年金等控除の範囲に収まれば実質的な負担は小さくなりますが、医師は病院の退職金や複数の年金を持つことが多く、控除枠を使い切っている場合があります。出口の論点は後半で詳しく扱います。
iDeCoの拠出限度額は2026年12月に引き上げ
順番を考えるうえで、iDeCoの枠の大きさが今後変わることは押さえておく必要があります。2026年10月2日時点で施行済みのものと、これから施行されるものを分けて示します。
施行済み(2024年12月1日〜): 企業年金(企業型DC・DB等)に加入する人と公務員のiDeCo拠出限度額は月2.0万円で、かつ事業主の拠出額(企業型DCの事業主掛金とDB等の他制度掛金相当額、公務員は共済掛金相当額)との合計が月5.5万円の範囲内とされています。企業年金がない会社員等は月2.3万円、自営業者など国民年金第1号被保険者は国民年金基金等との合算で月6.8万円です(厚生労働省「DB等の他制度掛金相当額の反映後(令和6年12月〜)」)。
2026年12月1日施行: 2025年6月13日に成立した年金制度改正法により、第2号加入者(会社員・公務員等)のiDeCoの拠出限度額は企業年金の有無による差異を解消して企業年金と共通の限度額に一本化され、月6.2万円に引き上げられます。第1号加入者は国民年金基金との共通限度額が月7.5万円になります。あわせて、60歳以上70歳未満で一定の要件を満たす人がiDeCoに加入・継続拠出できるようになります(厚生労働省「2025年の制度改正」)。施行日は政令(令和7年政令第441号)で2026年12月1日と定められています。厚生労働省のページの表記は「施行予定」のままです。
企業年金がある人の枠は、改正後も企業年金等と合計して6.2万円が上限です(同ページ)。勤務先のDBや企業型DCの掛金相当額によって、使える枠は人によって大きく変わります。加入区分ごとの詳しい計算は「医師のiDeCo上限額は働き方で変わる」に、病院の企業型DCとの関係は「病院の企業型DCに入っている医師のiDeCo」にまとめています。この記事では、上限額そのものより「その枠を新NISAより先に埋めるべきか」に絞って説明します。
限界税率とは「最後の100万円」にかかる税率
所得控除の効果を決めるのは平均税率ではなく限界税率です。所得税は5%から45%の7段階の超過累進税率で、課税所得900万円から1,799.9万円の部分には33%、1,800万円から3,999.9万円の部分には40%がかかります(国税庁 タックスアンサーNo.2260 所得税の税率)。
これに住民税の所得割が加わります。総務省は、所得割の税率を所得に対して10%(道府県民税4%、市町村民税6%)と説明しています(総務省「個人住民税」)。さらに所得税額には復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)が上乗せされます。令和9年以後の所得は、復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税1%の組み合わせに変わります(国税庁No.2260)。
したがって、iDeCoの掛金1万円あたりで軽くなる税額の目安は、次の式で計算できます。
掛金 ×(所得税率 × 1.021 + 住民税率10%)
所得税率33%の人なら、33%×1.021+10%≒43.7%です。月2.3万円(年27.6万円)を拠出すると、年約12.1万円の税負担が軽くなる計算になります。所得税率10%の人なら約20.2%で、同じ掛金でも約5.6万円です。同じ制度でも、限界税率によって効果が2倍以上違うことになります。
注意点が2つあります。1つは、掛金を差し引いた結果、課税所得が税率の境目をまたぐ場合は、またいだ部分には下の税率が適用されることです。課税所得が900万円をわずかに超える程度の人は、効果が33%ではなく23%寄りになります。もう1つは、住民税は前年の所得で計算されるため、住民税の軽減は翌年度に現れることです。
3パターンで所得控除の効果を計算する
ここからは、医師に多い3つの働き方で、iDeCoの所得控除の効果を試算します。数値は国税庁・総務省の税率表に、下の前提を当てはめた計算値です。実際の課税所得は、社会保険料、扶養、医療費控除、ふるさと納税などで変わります。
前提として、給与所得控除は収入850万円超で195万円(上限)(国税庁 タックスアンサーNo.1410 給与所得控除)、基礎控除は合計所得金額に応じて段階的に決まり、合計所得金額2,500万円超では0円です(国税庁 タックスアンサーNo.1199 基礎控除)。社会保険料の額は勤務先や自治体で大きく異なるため、下では概算の仮定値を置いています。
パターンA: 勤務医・年収1,500万円・企業年金なし
給与所得は1,500万円−195万円=1,305万円です。社会保険料を仮に約200万円、基礎控除などその他の所得控除を仮に約60万円とすると、課税所得はおおむね1,045万円となり、所得税率33%の区分に入ります。限界税率は約43.7%です。
企業年金がない会社員等の現行の限度額は月2.3万円(年27.6万円)で、軽くなる税額は年約12.1万円です。2026年12月の改正後、企業年金等がなければ月6.2万円(年74.4万円)まで拠出でき、課税所得は約970万円に下がりますが33%の区分にとどまるため、年約32.5万円の軽減になります。DBや共済がある勤務医は、その掛金相当額を6.2万円から引いた残りが上限です。
パターンB: 非常勤中心・年収800万円・国民年金第1号被保険者
複数の医療機関で非常勤として働き、勤務先の厚生年金に加入していない(国民年金第1号被保険者)ケースを想定します。給与所得は800万円−給与所得控除190万円=610万円です(国税庁No.1410)。国民健康保険料と国民年金保険料を合わせて仮に約110万円、その他の所得控除を仮に約60万円とすると、課税所得は約440万円で、所得税率20%の区分です。限界税率は20%×1.021+10%≒30.4%です。
第1号加入者の現行限度額は国民年金基金等との合算で月6.8万円(年81.6万円)で、全額をiDeCoに充てた場合、課税所得は約358万円になり20%区分に収まります。軽くなる税額は年約24.8万円です。月7.5万円(年90万円)に引き上げられた後は、課税所得が約350万円となり、年約27.4万円の計算になります。
非常勤中心の働き方では、勤務先によって社会保険の適用状況が異なり、第1号か第2号かで限度額がまったく変わります。自分の区分は、年金手帳や「ねんきん定期便」、勤務先の給与明細の厚生年金保険料の有無で確認してください。
パターンC: 開業医・課税所得2,500万円・個人事業
個人開業で、事業所得から各種控除を引いた課税所得が2,500万円のケースです。所得税率40%の区分で、限界税率は40%×1.021+10%≒50.8%です。
第1号加入者として月6.8万円(年81.6万円)を拠出すると、課税所得は約2,418万円で40%区分のままです。軽くなる税額は年約41.5万円、月7.5万円(年90万円)なら年約45.8万円です。ただし、この枠は国民年金基金と共通のため、すでに国民年金基金に加入している場合は残りの枠しか使えません。また、医療法人化して理事長として厚生年金に加入すると第2号加入者になり、限度額の考え方が変わります。
| パターン | 限界税率(概算) | 現行限度額での軽減額 | 2026年12月以降の限度額での軽減額 |
|---|---|---|---|
| A 勤務医1,500万円 | 約43.7% | 年約12.1万円(月2.3万円) | 年約32.5万円(月6.2万円) |
| B 非常勤800万円 | 約30.4% | 年約24.8万円(月6.8万円) | 年約27.4万円(月7.5万円) |
| C 開業医 課税所得2,500万円 | 約50.8% | 年約41.5万円(月6.8万円) | 年約45.8万円(月7.5万円) |
※本文の前提に基づく計算値。改正後の列は新限度額で12か月拠出した場合の年額です。12月分の掛金は翌年1月に納付されるため(iDeCo公式サイト)、満額で効くのは2027年分からです。
3パターンとも、iDeCoの掛金には年30〜50%程度の「入口の利回り」が付く計算です。どのような運用商品を選んでも、この入口の効果は運用成績と無関係に得られます。限界税率が20%を超えるなら、iDeCoを優先する合理性は高いと言えます。
流動性: 60歳まで引き出せないことの重さ
では全員がiDeCoから埋めればよいかというと、そうではありません。iDeCo公式サイトは、iDeCoは60歳にならないと資産を引き出せない年金制度であり、掛金額は無理なく継続できる額にするよう案内しています(iDeCo公式サイト「iDeCoをはじめるまでの4つのポイント」)。
さらに、60歳から受け取るには、60歳になるまでの通算加入者等期間が10年以上必要で、10年に満たない場合は受給可能年齢が繰り下げられます(iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」)。50代になってから始める場合、60歳ちょうどには受け取れない可能性があることになります。
医師のキャリアには、60歳前にまとまった資金が必要になる場面が多くあります。開業の自己資金、医局人事に伴う転居、専門医取得後の留学、子どもの私立中学や医学部進学などです。これらの資金をiDeCoに入れてしまうと、税の優遇を受けても必要な時に使えません。結果として高金利のローンを組むことになれば、節税効果は簡単に消えてしまいます。
そのため、順番の目安は次のようになります。
| 状況 | 先に埋める枠 | 理由 |
|---|---|---|
| 専攻医・若手で手元資金が薄い | 新NISA(または預金) | 転居・留学など60歳前の支出に備える |
| 開業を5年以内に予定 | 新NISA | 開業資金に充てられる流動性を優先 |
| 勤務医で生活防衛資金を確保済み | iDeCo上限→新NISA | 限界税率30%超なら入口効果が大きい |
| 開業医で手元資金に余裕 | iDeCo上限→新NISA | 限界税率40%超で効果が最大 |
ここでの「新NISAを先に」は、iDeCoを否定する意味ではありません。手元資金が厚くなった時点でiDeCoに切り替えれば、その年からの控除は受けられます。掛金額は年1回変更でき、拠出の停止もできます(iDeCo公式サイト)。
出口: 病院の退職金とiDeCo一時金の受け取り順
勤務医にとって見落とせないのが出口の課税です。iDeCoを一時金で受け取ると退職所得とみなされ、病院の退職金と退職所得控除の枠を分け合うことがあります。退職所得控除は、勤続年数20年以下なら40万円×勤続年数、20年超なら800万円+70万円×(勤続年数−20年)です(国税庁No.1420)。
複数の退職手当等を受け取る場合、勤続期間が重複する部分は控除額が調整されます。国税庁は、重複期間の調整対象を次のように整理しています(国税庁 タックスアンサーNo.2735 同じ年に2か所以上から退職手当等が支払われるとき、要約)。
- 前年以前4年内に退職手当等の支払を受けた場合(下の2つを除く)
- 前年以前9年内に確定拠出年金の老齢給付金としての一時金(令和8年1月1日以後に支払を受けたもの)の支払を受けた場合
- 前年以前19年内に退職手当等の支払を受け、本年中に確定拠出年金の老齢給付金としての一時金の支払を受ける場合
2つ目の「9年」は、令和7年度税制改正で従来の4年から延長されたものです。財務省の令和7年度税制改正の大綱は、退職手当等の支払を受ける年の前年以前9年内に老齢一時金の支払を受けている場合を重複排除の特例の対象とし、令和8年1月1日以後に老齢一時金の支払を受けている場合であって同日以後に支払を受けるべき退職手当等に適用する、としています(財務省「令和7年度税制改正の大綱」、16頁、要約)。
具体的には、60歳でiDeCoを一時金で受け取り、65歳で病院を定年退職して退職金を受け取る場合、以前は5年空ければ重複調整を避けられる設計が可能でしたが、2026年1月以降のiDeCo一時金からは9年の範囲で調整対象になります。逆に、退職金を先に受け取り、その後にiDeCo一時金を受け取る場合は、19年の範囲が調整対象です。
医師は定年が病院ごとに異なり、定年後に再雇用や他院勤務を続けることも多いため、受け取り順と時期の設計の余地が比較的あります。一時金ではなく年金形式で受け取れば退職所得控除との競合は避けられますが、公的年金等控除の枠を公的年金と分け合うことになります(国税庁No.1600)。iDeCoの年金受取は5年以上20年以下の有期年金として扱われ、受給開始は75歳までの間で選べます(iDeCo公式サイト)。
出口の課税は、入口の控除の効果を一部打ち消す可能性があります。ただ、控除を受けた時点の限界税率が40%を超えていて、受け取り時に退職所得の2分の1課税や控除枠が使えるなら、差し引きでプラスになる設計は十分に可能です。公的年金の見込み額は「医師の年金はいくらもらえるか」で確認できます。
医師年金・企業型DCとの組み合わせ
医師には、日本医師会の医師年金のような任意加入の年金制度もあります。ただし、本記事では医師年金の制度内容を一次資料で確認できていないため、掛金や税制上の扱いは記載していません。加入を検討している場合は、日本医師会の公式資料で、掛金が社会保険料控除・生命保険料控除・小規模企業共済等掛金控除のどれに当たるかを確認してください。控除の種類によって、iDeCoとの比較の前提が変わります。
勤務先に企業型DCがある場合は、2026年4月1日から、マッチング拠出の加入者掛金が事業主掛金の額を超えてはならないという制限が撤廃されています(厚生労働省「2025年の制度改正」)。マッチング拠出をしている場合はiDeCoに加入できないため(iDeCo公式サイト)、マッチング拠出とiDeCoのどちらを使うかは、勤務先の規約と運用商品の手数料を比べて選ぶことになります。この点の詳細は前掲の企業型DCの記事で扱っています。
よくある疑問
新NISAの枠を先に埋め切ってからiDeCoでもよいか
新NISAは年360万円、生涯1,800万円の枠があります(金融庁)。最短でも5年かかるため、その間にiDeCoの所得控除を受けないと、毎年の控除の機会はその年限りで失われます。手元資金に余裕があるなら、並行して使うほうが合理的です。
運用利回りを何%と仮定すれば比較できるか
運用利回りはどちらの制度でも同じ商品を選べば同じであり、比較の決め手になりません。本記事ではあえて利回りを仮定していません。仮に年3%などの利回りを置いて将来の資産額を試算する場合も、それは仮定にすぎず、元本割れの可能性もあります。順番の判断は、利回りの仮定に依存しない「入口の控除」と「流動性」で行うほうが安全です。
年の途中で始めても控除は受けられるか
控除の対象はその年に支払った掛金です(国税庁No.1135)。iDeCo公式サイトは、掛金の変更単位を12月分から翌年11月分とし、実際の納付月は1月から12月になると説明しています。年の途中で加入しても、その年に納付した分は控除の対象です。勤務医は年末調整で、開業医は確定申告で、掛金の証明書を添付して申告します。
まとめ: 「60歳まで使わないお金」の額を先に決める
新NISAとiDeCoのどちらが先かは、限界税率と流動性で決まります。限界税率が30〜50%の勤務医・開業医にとって、iDeCoの掛金には年30〜50%相当の入口の効果があり、運用の成否と関係なく得られます。一方で、原則60歳まで引き出せず、10年の加入期間がないと受給開始が遅れます。2026年12月1日に拠出限度額が引き上げられ、特に企業年金のない勤務医は枠が大きく広がります。
次の一歩として、まず60歳前に使う予定の資金を書き出し、残りの「触らなくてよい月額」を決めてください。その範囲でiDeCoの上限を確認し、余った分を新NISAに回すのが基本の順番です。資産形成の全体像は「医師の資産形成の始め方」で整理しています。
本記事は制度の仕組みを説明するもので、特定の金融商品や金融機関を勧めるものではありません。税額は個別の事情で変わるため、具体的な判断は税理士などの専門家に確認してください。
