常勤医の外勤(当直アルバイト、非常勤外来)は、医療機関では当たり前の働き方です。一方で、外勤先の時間を自院が把握していないと、時間外労働の上限や医療法の面接指導の判定がそもそもできません。この記事は、病院の事務長・人事担当の方に向けて、兼業医師の労働時間を「把握→通算→上限管理→健康確保措置→記録」の5段階で整理したものです。各段階で、どの法令・通知・FAQの記述が根拠になるかを示します。根拠は労働基準法・同施行規則・医療法・医療法施行規則の条文(e-Gov法令API)、厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)、令和2年9月1日基発0901第3号、医政局の運用上の留意事項(令和6年4月1日事務連絡)と「医師の働き方改革に関するQ&A」です。2026年10月12日時点の内容です。

先に答え: 外勤先の時間は「申告で把握し、通算して判定する」

出発点は労働基準法第38条第1項です。条文は「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と定めています。厚生労働省は、この「事業場を異にする場合」には事業主を異にする場合も含むとしています(昭和23年5月14日付け基発第769号。基発0901第3号の前文で引用)。つまり、自院の常勤医が別法人の病院で当直アルバイトをした時間も、原則として自院の時間と通算します。

では、病院はどうやって他院の時間を知るのか。厚労省医政局の「医師の働き方改革に関するQ&A」問1-2は、複数の医療機関に勤務する医師の労働時間の把握について、次のように答えています。

「自院で雇用する医師が副業・兼業を行っていることを把握している場合、医師本人の自己申告等により、副業・兼業先の労働時間を把握し、把握した副業・兼業先の労働時間と自院での労働時間を通算して、労働時間を管理する必要がある。」

同じ答えは、続けて「副業・兼業先の勤務予定や労働時間を把握するための仕組み作りが重要となる」としています。管理の方法は、医師の申告を前提にした仕組みづくりだということです。

通算した結果を使う場面は、大きく2つあります。1つは労基法の時間外労働の上限(医師については労基則第69条の5の「月100時間未満・年960時間」)です。もう1つは医療法の追加的健康確保措置で、面接指導の対象となる「月100時間以上の見込み」と、労働時間短縮の措置が要る「月155時間超」の判定です。後者について、医政局の運用上の留意事項は「時間外・休日労働が月100 時間以上となる見込みについては、副業・兼業先の労働時間も通算して判断することが必要です。」と明記しています。

図1: 兼業医師の労働時間管理の5段階(把握・通算・上限管理・健康確保措置・記録)と各段階の根拠

段階1 把握: 届出制と自己申告の組み立て方

何を確認するか

ガイドラインは「使用者は、労働者からの申告等により、副業・兼業の有無・内容を確認する」としたうえで、その方法として就業規則や労働契約に届出制を定めることを挙げています。ただし届出制の仕組みを設けることは「望ましい」とされており、法令上の義務として書かれているわけではありません。

確認事項としてガイドラインが挙げるのは、他の使用者の事業内容、そこで従事する業務内容、労働時間通算の対象になるかどうか、の3点です。通算の対象になる場合は、さらに契約の締結日・期間、所定労働日・所定労働時間・始業終業時刻、所定外労働の有無と見込み時間数・最大時間数、実労働時間の報告手続、確認の頻度を確認し、合意しておくことが望ましいとされています。医師の外勤では、これに「外勤先が宿日直許可を受けているか」を加えておくと、後の通算判断が早くなります(理由は段階2で述べます)。

図2: 兼業届で確認する7項目(ガイドラインの確認事項に宿日直許可の有無を追加)

自院の時間は客観記録、外勤先の時間は申告

ここで2種類の時間を分けて考える必要があります。自院での医師の労働時間について、医療法施行規則第61条第1項は、病院の管理者がタイムカードの記録やパソコンの使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法で把握しなければならない、と定めています。こちらは義務です。

Q&A問1-1は、自己申告に頼ることの可否について、やむを得ない場合は自己申告で確認・記録することもできるが、その場合は申告した時間が実際と合っているかを必要に応じて実態調査し、所要の補正をする必要がある、と答えています。

一方、外勤先の時間は、自院が客観記録を取る手段を持ちません。基発0901第3号は、通算は「労働者からの申告等により把握した他の使用者の事業場における労働時間」と通算して行うとしています。そのうえで、労働者からの申告等がなかった場合には通算は要しないこと、申告された時間が事実と異なっていても申告により把握した時間で通算していれば足りることを示しています。

この一文は病院を守る規定に読めますが、限定を落とさないでください。前提は、病院が届出・申告の仕組みを整え、受け取った申告を使って通算していることです。外勤を知りながら申告を求めていない場合に同じ扱いになるとは書かれていません。Q&A問1-2も「把握している場合」に通算管理の必要があるとしています。

申告の頻度

ガイドラインは、外勤先の実労働時間は必ずしも日々把握する必要はなく、労基法を守るために必要な頻度で把握すれば足りるとしています。例として、1週間分を週末にまとめて申告させる、所定どおりでなかった場合だけ申告させる、上限に近づいたら申告させる、の3つが挙げられています。医師の場合は段階4で見るとおり医療法の月次確認があるため、少なくとも月1回の申告は組み込むのが実務的です。

段階2 通算: 何を足して、何を足さないか

通算の対象から外れる時間

基発0901第3号の第1の1は、通算されない場合を2つ挙げています。1つは労基法が適用されない場合で、フリーランス、独立、起業、共同経営、アドバイザー、コンサルタント、顧問、理事、監事等が例示されています。医師でいえば、雇用契約ではない業務委託の講演・執筆・顧問などがこれにあたります。

もう1つは、労基法は適用されるが労働時間規制が適用されない場合(法第41条・第41条の2)です。ここに「監視・断続的労働者」が含まれています。労基法第41条第3号の許可、つまり宿日直許可を受けた宿日直に従事した時間は、通算の対象外になります。当直アルバイト先が宿日直許可を受けているかどうかで、通算する時間が大きく変わるのはこのためです。許可の要件と申請手順は「宿日直許可の申請手順」で整理しています。

ただし、許可のある宿日直でも実際に通常の業務に従事した時間は扱いが異なりえます。外勤先の許可の範囲(時間帯・診療科)まで確認しておくのが安全です。

図3: 外勤の時間を通算するかの判断(雇用か、宿日直許可を受けた宿日直か)

通算する規定と、しない規定

通算するといっても、労基法のすべての規定で足すわけではありません。基発0901第3号の第1の2・3を整理すると次のとおりです。

通算するのは、法定労働時間(第32条)と、時間外・休日労働の合計で単月100時間未満・複数月平均80時間以内の要件(第36条第6項第2号・第3号)です。通知は後者について「労働者個人の実労働時間に着目し、当該個人を使用する使用者を規制するもの」と説明しています。

通算しないのは、36協定で定める延長時間です。通知は、限度時間(第36条第4項)と特別条項の年上限(同条第5項)は個々の事業場の36協定の内容を規制するものであり、各事業場の時間外労働が36協定の延長時間の範囲内かどうかは、他の使用者の事業場の時間と通算しないとしています。休憩・休日・年次有給休暇も通算しません。

図4: 通算する規定・しない規定の比較(基発0901第3号 第1の2・3)

足す順番

通算の順番は2段階です。開始前に所定労働時間を契約の締結順に足し、法定労働時間を超える部分は「時間的に後から労働契約を締結した使用者」の時間外労働になります。開始後は所定外労働時間を、実際に行われた順に足します。どちらも自院の労働時間制度の起算日を基に計算します。

この順番は割増賃金の負担先を決めます。外勤先で後から契約した非常勤医を受け入れている病院は、常勤先の所定労働時間と通算した結果、自院での勤務の全部が時間外労働になることがあります。外勤医を受け入れる側の病院も、この計算から逃れられません。

段階3 上限管理: 医師の上限は2層に分かれる

協定の上限と、実労働の上限

医師の時間外労働の上限は、労基法附則第141条と労基則で定められています。ここで2つの条文を区別します。

労基則第69条の4は、36協定で定めることができる時間の上限です。条文は、時間外・休日労働について「一箇月について百時間未満及び一年について九百六十時間とする」とし、ただし書で、面接指導等を協定に定めた場合は「一年について九百六十時間とする」としています。これは協定の内容を規制する規定で、前述の通知の考え方によれば事業場ごとに定めるものです。

労基則第69条の5は、実際に働かせることができる時間の上限です。条文は次のとおりです。

「法第百四十一条第三項の厚生労働省令で定める時間は、労働時間を延長して労働させ、及び休日において労働させる時間について、一箇月について百時間未満及び一年について九百六十時間とする。ただし、第六十九条の三第二項第二号に規定する面接指導が行われ、かつ、同項第四号に規定する措置が講じられた特定医師については一年について九百六十時間とする。」

根拠となる附則第141条第3項は、使用者に対し、36協定によって時間外・休日労働をさせる場合でも厚生労働省令で定める時間を超えて労働させることを禁じる形で、個々の使用者を名宛人にしており、違反には同条第5項で6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が定められています。附則第141条第1項は、特定医師について第36条第6項第2号・第3号(一般則の単月100時間未満・複数月平均80時間)を適用しないとしています。この実労働上限を外勤先と通算するかについて、厚生労働省労働基準局のページ「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」は明示しています。医業に従事する医師は、36協定の特別延長時間の範囲内であっても「個人に対する時間外・休日労働時間の上限として副業・兼業先の労働時間も通算して」、A水準では年960時間・月100時間未満とする必要がある、という記述です。つまり、協定の上限(第69条の4)は事業場ごと、実労働の上限(第69条の5)は外勤先と通算した個人単位、と分けて管理します。

上限を超えた場合の具体的な対応は「医師の時間外労働が960時間を超えたら」で扱っています。

管理モデルという選択肢

毎月の実績を申告させて足し合わせる方式(原則的な方法)は、外勤の回数が多い医師では事務負担が大きくなります。ガイドラインはこの負担を軽くする「管理モデル」を示しています。

管理モデルの枠組みは、兼業の開始前に、先に契約した使用者A(本務先)の法定外労働時間と、後から契約した使用者B(外勤先)の労働時間の合計が単月100時間未満・複数月平均80時間以内になる範囲で、それぞれの上限をあらかじめ設定するものです。Aは自院の法定外労働時間について、Bは自院の労働時間について、それぞれ割増賃金を払います。ガイドラインは、各使用者が設定した範囲内で働かせる限り、他の使用者の実労働時間を把握しなくても労基法を守れるとしています。一方で、設定した範囲を逸脱して働かせた使用者は、通算に関する法違反を問われうると明記しています。

導入の流れについてガイドラインは、一般に使用者Aが労働者に管理モデルによる兼業を求め、労働者と、労働者を通じて使用者Bがこれに応じることで導入されると想定しています。外勤先との直接の契約は前提にしていません。

当直アルバイトへの当てはめ(設計例)

管理モデルの数値は一般則(単月100時間未満・複数月平均80時間以内)で書かれています。特定医師には複数月平均80時間の規定が適用されないため、以下は筆者がガイドラインの枠組みを医師の上限(労基則第69条の5)に読み替えて組んだ設計例です。導入前に所轄労基署へ確認することをおすすめします。

前提は次のとおりです。本務先A病院はA水準(年960時間)で、常勤医の自院の法定外労働時間の実績は月40時間程度。医師は月2回、宿日直許可のないB病院で夜間の当直アルバイト(1回16時間)をしています。

Aの所定労働時間が週40時間であれば、B病院での32時間は通算するとすべて法定労働時間を超える部分になり、後から契約したBの時間外労働として扱われます。上限は、Aの法定外を月45時間、Bの労働時間を月32時間と置くと、合計は月77時間です。月100時間未満に収まり、12か月続いても年924時間で960時間の内側に残ります。合計を年960時間の月割り(80時間)以下に置いているので、月ごとの調整は通常要りません。Aは繁忙月に上限を変える可能性があるなら、ガイドラインのとおり変更がありうることを最初に留保しておきます。

B病院が宿日直許可を受けていれば、許可の範囲内の宿日直時間は通算の対象外です。その場合、Bでの上限設定は許可の範囲外の勤務についてだけ考えれば足ります。外勤先の許可の有無で設計が変わるため、段階1の届出に許可の有無を入れておく意味がここにあります。

段階4 健康確保措置: 面接指導と勤務間インターバル

面接指導(義務)

医療法第108条第1項は、病院の管理者に、各月の労働時間の状況が省令の要件に該当する医師への面接指導を義務づけています(「行わなければならない」)。要件は医療法施行規則第62条で、時間外・休日労働時間が「一箇月について百時間以上となることが見込まれる者」です。管理者は毎月1回以上、一定の期日を定めて、医師が面接指導の対象かどうかを確認しなければなりません(同規則第61条第3項)。

この「見込み」の判定に、外勤先の時間を通算します。留意事項は、1つの病院の時間だけでは月100時間以上にならなくても、通算すると見込まれる場合には、当該医師が勤務する全ての病院・診療所でそれぞれ面接指導を実施する必要があると説明しています。ただし、いずれか1つが実施し、結果を証明する書面を他の病院に出せば、受け取った病院の実施義務は果たされます(医療法第108条第2項ただし書等)。どこが実施するかは、雇用形態を踏まえて病院間で予め話し合って決めておくことが必要とされています。病院間の協力は医療法第109条で「協力しなければならない」と定められています。

面接指導後の就業上の措置や労働時間短縮の措置は、医師を雇用する各病院の管理者が責務を負うのが原則です。ただ、病院間で連携して特定の勤務先で措置を実施することも可能とされています。

月155時間を超えた場合の労働時間短縮の措置(医療法第108条第6項、同規則第70条)も義務です。留意事項は、155時間を超えるかの判断にも副業・兼業先の時間を通算することが必要だとしています。

図5: 1か月の管理サイクル(申告・月次確認・100時間到達前の面接指導・155時間超の措置・代償休息)

勤務間インターバル(水準で義務と努力義務が分かれる)

勤務間インターバルは、医師の水準によって法的な性格が違います。特定労務管理対象機関の特定対象医師(連携B・B・C水準)については、医療法第123条第1項が「継続した休息時間を確保しなければならない」と定めており、義務です。A水準の医師のうち予定された時間外労働が省令の要件に該当する医師については、医療法第110条第1項が「確保するよう努めなければならない」としており、努力義務です。Q&A問2-1は、この努力義務の対象を、時間外労働が年720時間または月45時間を超える月数が年6か月を超えることが見込まれる場合と説明しています。

兼業との関係で、留意事項は、勤務間インターバルを設定する際は医師の自己申告等で把握した兼業先の労働も含めて、事前に遵守できる勤務予定を組むことが求められるとしています。兼業が原因で確保できなかった場合の代償休息をどこで取らせるかは、常勤・非常勤といった雇用形態も踏まえて原則として病院間で調整します。確保状況は医師本人が管理して病院に報告し、病院は未取得の代償休息があれば翌月末までに確保できるよう勤務予定を組み直す、という分担が示されています。

特定労務管理対象機関の管理者は、複数の病院に勤務する医師の休息時間を確保するため、他の病院の管理者に協力を求めることができます(医療法第125条第1項)。求められた側の応諾は「応ずるよう努めなければならない」(同条第2項)で、努力義務です。

外勤先への移動時間について、Q&A問3-2は、通常は通勤時間であり労働時間に該当しないものと考えられるため勤務間インターバルに含めることができるとしつつ、遠距離の自動車運転などでは十分なインターバルを確保する配慮が必要としています。インターバルと代償休息の詳細は「医師の勤務間インターバルと代償休息」を参照してください。

段階5 記録: 保存期間は制度ごとに違う

記録の保存は制度ごとに期間が異なります。医療法施行規則第61条第2項は、把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じることを管理者に求めています。勤務間インターバルと代償休息の確保に関する記録は、特定労務管理対象機関の管理者が5年間保存しなければなりません(医療法第124条、同規則第119条第1項。留意事項 第3の5)。面接指導・意見聴取・措置の内容も記録・保存の対象です(医療法第108条第7項)。

兼業管理で残すべき記録は、次の4種類にまとめられます。届出書(確認事項と合意内容)、毎月の申告記録(外勤先の実労働時間と宿日直許可の範囲)、通算の計算結果(月次確認の結果)、病院間の取り決め(面接指導の実施機関、代償休息の付与先)です。基発0901第3号が申告どおりに通算していれば足りるとしている以上、申告を受けた事実と内容を残しておくことが、病院の側の立証手段になります。

義務と努力義務の区別

ここまでの論点を、法的な性格で整理します。

項目性格根拠
異なる事業場の労働時間の通算義務労基法第38条第1項
実労働の上限(月100時間未満・年960時間)義務(罰則あり)労基法附則第141条第3項・第5項、労基則第69条の5
兼業の届出制を設ける望ましいガイドライン 3(2)イ
自院の労働時間を客観的な方法で把握義務医療法施行規則第61条第1項
面接指導(月100時間以上見込み)義務医療法第108条第1項、同規則第62条
面接指導実施での病院間の協力義務医療法第109条
勤務間インターバル(特定対象医師)義務医療法第123条第1項
勤務間インターバル(A水準の対象医師)努力義務医療法第110条第1項
他院からの休息確保の協力要請への応諾努力義務医療法第125条第2項

外勤の管理が地域医療に及ぼす影響

兼業の管理は、病院の内部だけの問題ではありません。厚生労働省「令和6年度医師の働き方改革の施行後状況調査」(令和6年12月6日時点、回答5,653医療機関)では、施行に関連して大学・他医療機関からの派遣医師の引き揚げがあった医療機関が300(5.3%)、自院の診療体制を縮小した医療機関が266(4.7%)、そのうち引き揚げに関連した縮小が82(1.5%)でした。

本務先の病院が外勤を含めた時間を管理すると、上限に近い医師の外勤を減らす判断が出てきます。受け入れる側の病院は、外勤医の時間が本務先との通算で決まることを前提に、当直体制を組む必要があります。宿日直許可の取得や業務の見直しを含む体制づくりは「病院の医師労働時間短縮計画」で扱っています。

図6: 医師の働き方改革の施行後に派遣医師の引き揚げや診療体制の縮小があった医療機関数(令和6年度施行後状況調査)

まとめ: 届出書の様式から見直す

兼業医師の労働時間管理は、外勤先の時間を医師の申告で把握し、自院の時間と通算するところから始まります。通算した時間は、労基則第69条の5の実労働上限と、医療法の面接指導(月100時間以上の見込み)・労働時間短縮の措置(月155時間超)の判定に使います。36協定で定めた延長時間の範囲内かどうかの判断には通算しません。

最初の一歩は、兼業届の様式に、雇用か業務委託か、外勤先の宿日直許可の有無、所定外労働の見込みと最大時間数、申告の頻度を入れることです。そのうえで、外勤の多い医師から順に、原則的な方法で管理するか管理モデルで上限を先に決めるかを選びます。面接指導の実施機関と代償休息の付与先は、外勤先の病院と文書で取り決めておきます。

本記事は法令・通知の一般的な整理です。個別の勤務形態への当てはめは、所轄の労働基準監督署や医療勤務環境改善支援センターに確認してください。

参考資料

  • 労働基準法 第38条・第41条・附則第141条(e-Gov法令API)
  • 労働基準法施行規則 第69条の2〜第69条の5(e-Gov法令API)
  • 医療法 第108条〜第111条・第123条・第125条(e-Gov法令API)
  • 医療法施行規則 第61条〜第63条・第70条(e-Gov法令API)
  • 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)
  • 厚生労働省労働基準局長 基発0901第3号(令和2年9月1日)
  • 厚生労働省医政局医事課 運用上の留意事項(医師の働き方改革関係、令和6年4月1日事務連絡)
  • 厚生労働省医政局医事課「医師の働き方改革に関するQ&A」
  • 厚生労働省「令和6年度医師の働き方改革の施行後状況調査 調査結果」
  • 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」(2026年10月12日閲覧)