来月の地方会に1例出す。スライドを作り始めたところで、「この患者さんに同意を取っていない」と気づく。医局の先輩は「匿名化すれば大丈夫」と言い、倫理委員会の事務は「症例報告は審査対象外です」と言う。どちらも間違いではありませんが、どこまで消せば「匿名化」なのか、どの場合に同意か倫理審査が要るのかは、誰も条文で示してくれません。
この記事では、症例報告と学会発表をめぐる個人情報の扱いを、「研究か、症例報告か」→「個人が特定されないか」→「同意・倫理審査が要るか」の3段で整理します。あわせて、写真、SNS、院外の勉強会スライド、USBでの持ち出しを場面ごとに見ます。引用した条文と指針は、2026年10月16日に一次資料の本文を開いて確認したものです。個別の症例について可否を判断するものではありません。最終判断は所属機関の規程と、発表先の学会の規定に従ってください。
答え: 3つの問いを順に通せば、同意が要る場面は絞れる
最初に結論を示します。学会での症例報告は、次の3つの問いを順に通すと、何をすべきかがほぼ決まります。
第一の問いは、「それは研究か、症例報告か」です。文部科学省・厚生労働省・経済産業省の「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」のガイダンスは、関係学会などで個別の症例を報告する、いわゆる症例報告について、研究目的でない医療の一環とみなせる場合は、指針でいう「研究」に当たらないと判断してよいとしています。研究に当たれば、倫理指針の手続(研究計画書、倫理審査、インフォームド・コンセントなど)に入ります。
第二の問いは、「発表内容から患者が特定されないか」です。外科関連学会協議会の「症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表における患者プライバシー保護に関する指針」(以下、外科系指針)は、氏名・イニシャル・入院番号を書かない、日付は年月まで、などの基準を並べています。
第三の問いは、「それでも特定され得るか」です。外科系指針は、上の配慮をしても特定される可能性がある場合、患者本人(または遺族・代理人、小児では保護者)の同意を得るか、倫理委員会の承認を得るとしています。
つまり、「症例報告だから同意は一切いらない」でも、「症例報告には必ず同意が要る」でもありません。研究でない症例報告で、特定されないよう加工できていれば、指針上は同意を求められていません。加工しても特定され得るときに、同意か倫理委員会の承認が求められます。
個人情報保護法は症例報告をどう扱っているか
指針の話に入る前に、法律の土台を押さえます。根拠法は個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)です。
病歴は「要配慮個人情報」に当たる
同法第2条第3項は、本人の病歴などが含まれる個人情報を「要配慮個人情報」と定めています。診療録の内容はほぼすべて病歴に関わるため、症例報告の素材は原則として要配慮個人情報です。
一方で、個人情報とは「特定の個人を識別することができるもの」です(同法第2条第1項第1号。他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)。発表スライドから患者を識別できなければ、そのスライドに載った情報は、受け取った聴衆にとっては個人情報に当たりません。医療・介護関係事業者向けガイダンスも、提供者が氏名を削除するなどして個人を特定できないようにしたデータの提供を受けた場合を、受領者にとって個人情報に該当しない事例として挙げています(確認・記録義務の項)。匿名化が出発点になるのはこのためです。
第三者提供は原則として本人の同意が必要
特定できる形で院外に出せば、個人データの第三者提供になり得ます。同法第27条第1項柱書は次のとおりです。
個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
これは「してはならない」という禁止規定で、努力義務ではありません。例外は各号に列挙されています。
学術研究機関等の例外は、病院がそれに当たるかで決まる
令和3年改正で、学術研究に関する例外が整理されました。第27条第1項第5号は、次の場合を例外としています。
当該個人情報取扱事業者が学術研究機関等である場合であって、当該個人データの提供が学術研究の成果の公表又は教授のためやむを得ないとき(個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合を除く。)。
「学術研究機関等」の定義は第16条第8項にあります。
この章において「学術研究機関等」とは、大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者をいう。
医療・介護関係事業者向けガイダンスは、この「団体」に「学会」が含まれ、「それらに属する者」には学会の会員等が含まれると説明しています。ただし、第5号の主語は「当該個人情報取扱事業者が学術研究機関等である場合」です。患者のデータを持っている事業者(多くは病院)が学術研究機関等に当たるかが問われます。大学病院と市中病院では位置づけが異なり得るため、自分の勤務先がどちらに当たるかは、所属機関の個人情報保護の担当部署で確認するのが確実です。個人情報保護委員会のQ&A(令和7年7月1日更新)のQ11-6も、「大学等の学術研究機関等」と「民間企業や私立病院等」を分けて書いており、私立病院が当然に学術研究機関等に当たるという前提には立っていません。同じQ&Aは、学術研究機関等が共同研究の相手に提供する場合(第27条第1項第6号)や、学術研究目的で取り扱う必要がある学術研究機関等に提供する場合(同項第7号)も例外になると説明していますが、いずれも共同研究や学術研究目的の取扱いを前提にした規定で、学会発表がそのまま当てはまると条文から読み切れるものではありません。
公立病院や国立病院機構などの病院はどうか。同法第58条第2項は、地方公共団体の機関が行う病院・診療所・大学の運営の業務を、民間の個人情報取扱事業者による取扱いとみなして第4章の規定を適用するとしています。国立大学法人、国立病院機構、地域医療機能推進機構などは別表第二に掲げられ、同じく第4章の規律を受けます。医療・介護関係事業者向けガイダンスも、これらは個人情報の取扱いについて原則として民間と同じ規律が適用され、開示請求等の制度などには第5章の公的部門の規律が適用されると整理しています。症例報告の場面で問題になる第三者提供や安全管理は、公立病院でも第4章の条文で考えることになります。
さらに、例外が使える場合でも括弧書きで「個人の権利利益を不当に侵害するおそれがある場合を除く」とされています。例外は「何を出してもよい」という許可ではありません。加えて同法第59条は、学術研究機関等に対し、適正な取扱いを確保する措置を自ら講じ、その内容を公表するよう求めています。条文は「努めなければならない」で、努力義務です。
院内の症例報告は「利用目的」の例示に入っている
医療・介護関係事業者向けガイダンスの別表2(医療・介護関係事業者の通常の業務で想定される主な利用目的の例示)には、医療機関等の内部での利用に係る事例として、「医療機関等の内部において行われる観察研究や症例報告」が挙げられています。院内掲示などで利用目的を公表している病院であれば、院内の症例検討会での利用は、その利用目的の範囲で扱う整理になります。ただし、この例示は「内部」の利用です。院外の学会や勉強会に出す場面は、上の第三者提供と匿名化の問題として別に考える必要があります。
第1段: 研究か症例報告か
倫理指針の適用を受けるかどうかで、必要な手続が大きく変わります。
倫理指針(令和3年3月23日、令和8年8月27日一部改正)の第2(1)は、「人を対象とする生命科学・医学系研究」を、人を対象として、傷病の成因や病態の理解、予防方法・診断方法・治療方法の改善や有効性の検証などを通じて、健康の保持増進や患者の傷病からの回復などに資する知識を得ることを目的として実施される活動、と定義しています。
この定義だけ読むと、症例報告も含まれそうに見えます。そこで、ガイダンス(令和6年4月1日改訂版)の第2の解説8が線を引いています。傷病の予防、診断又は治療を専ら目的とする医療は「研究」に当たらないとしたうえで、医療従事者が自ら行った医療の転帰や予後を検討する例として、次のものを挙げています。
他の医療従事者への情報共有を図るため、所属する機関内の症例検討会、機関外の医療従事者同士の勉強会や関係学会、医療従事者向け専門誌等で個別の症例を報告する(いわゆる症例報告)
そして、こうした場合を含め、「研究目的でない医療の一環とみなすことができる場合には、この指針でいう「研究」に該当しないものと判断してよい。」と結んでいます。
実務上の分かれ目は、「自分が行った診療の中の個別の症例を共有する」のか、「一定の問いを立てて複数例のデータを集め、分析する」のかです。前者は症例報告として倫理指針の外に置ける可能性が高く、後者は観察研究として倫理指針の手続に入る可能性が高いといえます。「3例の症例集積」「当科で経験した10例の検討」といった発表は、その境目にあります。どちらに当たるかは研究者が単独で決めず、所属機関の倫理審査委員会の事務局に事前に照会するのが安全です。
なお、倫理指針の外に置けることと、個人情報保護法や守秘義務の外に置けることは別です。症例報告であっても、次の第2段の匿名化は必要です。
第2段: 匿名化の基準を満たすか
外科系指針は、平成16年4月6日に外科関連学会協議会で採択され、令和元年6月13日に一部改正されています。日本外科学会、日本救急医学会、日本麻酔科学会などの加盟学会に加え、日本整形外科学会、日本循環器学会、日本消化器病学会など多数の学会が賛同学会として名を連ねています。発表先の学会がこの指針を採用しているか、独自の規定を持っているかは、学会の投稿・発表規定で確認してください。
指針の項目は9つです。主なものを原文のまま示します。
1)患者個人の特定可能な氏名,入院番号,イニシャルまたは「呼び名」は記載しない.
3)日付は,臨床経過を知る上で必要となることが多いので,個人が特定できないと判断される場合は年月までを記載してよい.
7)症例を特定できる生検,剖検,画像情報に含まれる番号などは削除する.
ほかに、住所は記載しない(疾患の発生場所が病態に関与する場合は区域まで、例として神奈川県、横浜市など)、他の情報と照合して特定され得る場合は診療科名を記載しない、他院での診断・治療歴があっても施設名と所在地を記載しない(救急搬送元の記載が不可欠な場合を除く)、という項目があります。遺伝性疾患やヒトゲノム・遺伝子解析を伴う症例報告は、別の倫理指針の規定を遵守するとしています(指針に記載された指針名は改正前のものです)。
見落としやすいのは、イニシャルと画像のメタ情報です。「A氏」「Kさん」といった呼び名も、指針は書かないとしています。CTやMRIの画像には、患者ID、氏名、撮影日時、施設名が焼き込まれていることがあります。スクリーンショットの隅に残った番号は、項目7の対象です。
もう一つは、珍しい疾患と地域・時期の組み合わせです。氏名を消しても、「〇〇市の〇〇病院で、昨年〇月に〇〇病を発症した30代男性」と並べれば、地域の住民や同僚には分かってしまうことがあります。指針が日付を「個人が特定できないと判断される場合は」年月まで、と条件付きで認めているのはこのためです。
第3段: 同意か倫理審査が要るか
外科系指針の項目8は次のとおりです。
8)以上の配慮をしても個人が特定化される可能性のある場合は,発表に関する同意を患者自身(または遺族か代理人,小児では保護者)から得るか,倫理委員会の承認を得る.
ここで求められているのは「同意を得る」か「倫理委員会の承認を得る」かのどちらかです。たとえば、極めて稀な疾患、著名人、事件・事故の当事者、顔貌そのものが所見である症例などは、匿名化しても特定される可能性が残りやすい類型です。
同意を取る場合は、何に同意してもらったかを後から示せる形にしておくのが望ましいといえます。医療・介護関係事業者向けガイダンスのQ&A事例集は、学生の実習の場面について、同意を患者・家族と文書で取り交わすことが望ましいとしています。症例報告についても、発表先(学会名・誌名)、使う資料(画像の有無)、匿名化の方法を書いた同意書を用意し、診療録に同意取得の事実を記載しておけば、後の照会に答えやすくなります。
研究に当たる場合(第1段で「研究」と判断された場合)は、外科系指針ではなく倫理指針の手続が前面に出ます。Q&A事例集のA4-1は、医学研究分野については倫理指針が策定されており、指針に該当する研究では原則としてインフォームド・コンセントを得る必要がある旨を述べています。科研費などの研究費を使う研究であれば、なおさらこちらの手続を踏むことになります。研究費の応募資格の整理は臨床医の科研費 若手研究の応募資格にまとめています。
亡くなった患者の症例はどう考えるか
剖検例や死亡退院例の報告で迷う方も多いと思います。個人情報保護法の「個人情報」は「生存する個人に関する情報」です(同法第2条第1項)。そのため、死者の情報は原則として同法の対象外です。
ただし、医療・介護関係事業者向けガイダンスは、死者に関する情報が同時に遺族等の生存する個人に関する情報でもある場合には、その生存する個人に関する情報となると説明しています。遺伝性疾患の情報や、家族歴を含む記載は、遺族の情報にもなり得ます。外科系指針も、同意を得る相手として「遺族か代理人」を挙げており、死亡例を匿名化の対象から外していません。後で見る刑法の秘密漏示罪も、条文上は「人の秘密」で、生存者に限っていません。死亡例だから扱いを緩めてよい、とは考えないほうが安全です。
診療科名と施設名が手がかりになる
外科系指針の項目4は、他の情報と照合して患者が特定され得る場合は診療科名を記載しない、としています。発表者の所属は抄録に必ず載るため、「〇〇大学〇〇科」と症例の内容が組み合わさるだけで、院内の職員には誰の話か分かることがあります。地方会や院内発表のように、聴衆と患者の生活圏が重なる場では、全国学会より慎重に見積もる必要があります。
守秘義務: 刑法134条は個人情報保護法とは別に効く
個人情報保護法の義務は、主に事業者(病院)にかかります。これとは別に、医師個人には刑法の秘密漏示罪があります。刑法第134条第1項は次のとおりです。
医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
「これらの職にあった者」が含まれるため、退職後や転職後も対象です。同法第135条は「この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」とし、親告罪です。症例報告がどの程度で「正当な理由」に当たるかを条文は示していません。匿名化して特定されない形にすることは、そもそも「人の秘密を漏らす」状態を作らないための手当てだと整理できます。退職時の診療情報の扱いは、医師の退職、患者引き継ぎで外せない法的義務でも扱っています。
場面別の可否: 写真、SNS、院外勉強会、USB
ここからは、よく問われる場面を順に見ます。いずれも、上の3段を当てはめた整理であり、個別の可否を断定するものではありません。
臨床写真・顔写真
外科系指針の項目6は「顔写真を提示する際には目を隠す」とし、眼疾患では顔全体が分からないよう眼球のみの拡大写真とする、としています。目隠しをしても、髪型、ほくろ、入れ墨、背景の病室などで分かる場合は、項目8の「特定化される可能性のある場合」に当たり得ます。顔そのものが所見の症例は、同意を前提に計画するほうが現実的です。撮影時点で「学会・論文での使用」を同意書に入れておくと、後で困りません。
SNSへの投稿
外科系指針は、医学論文と学会・研究会での学術発表を対象にした指針です。SNSへの投稿はその想定の外にあります。倫理指針ガイダンスが「研究」に当たらない例として挙げるのも、症例検討会、医療従事者同士の勉強会、関係学会、医療従事者向け専門誌などで、不特定多数が見るSNSは含まれていません。SNSでは、閲覧者の中に患者本人や家族、同じ地域の住民がいる前提で考える必要があり、学会発表より匿名化の水準を上げる必要があります。勤務先にSNSの利用規程がある場合はそれが優先します。
院外の勉強会・研究会のスライド
倫理指針ガイダンスは、機関外の医療従事者同士の勉強会での症例報告も「研究」に当たらない例に含めています。一方で、個人情報保護法の観点では、院外の勉強会も院外への提供です。医療・介護関係事業者向けガイダンスのQ&A事例集のA4-9は、院内の症例検討会に他施設の職員が参加する場合について、患者の個人データの「第三者提供」になるため、原則としてあらかじめ本人の同意が必要だとしています(匿名加工情報にして使う場合は同意不要とも述べています)。院内の症例検討会用に作った、患者IDや撮影日が残ったスライドをそのまま持ち出すのは避けるべきです。院外用には、外科系指針の項目に沿って作り直した版を別に用意します。スライドの配布やオンライン共有があるかも事前に確認しておきます。
USBメモリや私物PCでの持ち出し
ここは症例報告の可否とは別の、安全管理の問題です。個人情報保護法第23条は次のとおりです。
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。
これは事業者の義務です。医療・介護関係事業者向けガイダンスは、物理的安全管理措置の例として「記録機能を持つ媒体の持込み・持出しの禁止又は検査の実施等」を挙げています。つまり、USBでの持ち出しを禁止または検査する運用は、ガイダンスが想定する措置そのものです。勤務先が持ち出しを禁止しているなら、学会準備であっても規程に従います。許可制なら、匿名化済みのデータだけを、許可された媒体で持ち出すのが原則です。夜間や休日にスライドを作る時間の捻出に悩む方は、医師が論文執筆の時間をどう作るかも参考にしてください。
発表前のチェックリスト
最後に、ここまでの内容を、発表前に確認する項目としてまとめます。
- 発表は「個別の症例の共有」か、「複数例のデータの分析」か
- 研究に当たる可能性があるなら、倫理審査委員会の事務局に照会したか
- 発表先の学会が外科系指針を採用しているか、独自規定はあるか
- 氏名、イニシャル、呼び名、入院番号を消したか
- 日付は年月まで、住所は記載せず(必要なら区域まで)にしたか
- 画像に焼き込まれた番号・氏名・施設名を消したか
- 前医の施設名・所在地を消したか
- 顔写真は目を隠したか、それでも特定され得ないか
- それでも特定され得るなら、同意か倫理委員会の承認を得たか
- データの持ち出しは勤務先の規程に沿っているか
まとめ: 迷ったら「消す」より先に「誰に聞くか」を決める
症例報告の個人情報は、①研究か症例報告か、②匿名化の基準を満たすか、③それでも特定され得るか、の3段で整理できます。倫理指針ガイダンスは、関係学会での個別の症例報告を、研究目的でない医療の一環とみなせる場合は「研究」に当たらないとしています。外科系指針は、匿名化しても特定され得る場合に、本人などの同意か倫理委員会の承認を求めています。個人情報保護法の学術研究の例外は、データを持つ事業者が学術研究機関等に当たるかで使えるかどうかが決まり、刑法の秘密漏示罪は医師個人に退職後もかかります。
判断に迷うときは、倫理審査委員会の事務局、病院の個人情報保護の担当部署、発表先学会の規定の3つに当たるのが近道です。一人で「たぶん大丈夫」と決めないことが、患者と自分の両方を守ります。
参考資料
- 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条・第16条・第18条・第20条・第23条・第27条・第58条・第59条・別表第二(e-Gov法令検索)
- 刑法(明治40年法律第45号)第134条・第135条(e-Gov法令検索)
- 個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月14日、令和8年4月一部改正)
- 個人情報保護委員会・厚生労働省「「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」に関するQ&A(事例集)」(平成29年5月30日、令和8年4月一部改正)
- 個人情報保護委員会「「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A」(令和7年7月1日更新)Q11-6
- 文部科学省・厚生労働省・経済産業省「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和8年8月27日一部改正)、同ガイダンス(令和6年4月1日改訂)
- 外科関連学会協議会「症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表における患者プライバシー保護に関する指針」(平成16年4月6日、令和元年6月13日一部改正。日本形成外科学会掲載版)
