「医師の子供の教育費」を検索すると、たいてい総額の平均値が1つ出てきて終わります。しかし実務で必要なのは平均ではなく、何歳のときに、いくらの現金が、どこから出ていくのかという時間軸です。子が医学部に進めば、6年間で1,830万〜4,550万円の学納金が発生します。その時期、先生は48〜55歳あたりで、住宅ローンの残債も抱えている可能性があります。

この記事では、文部科学省「子供の学習費調査」と各大学が公表する学納金をもとに、0歳から医学部卒業までを年齢帯ごとに積み上げ、資金繰りの谷がいつ来るかを整理します。教育方針の是非や学校の優劣には触れません。費用構造の事実と、いつどこから払うかの考え方だけを扱います。

結論: 総額は約960万円から約6,500万円。幅を決めるのは進路の2つの分岐

先に答えを置きます。0歳から大学卒業までの教育費は、進路の組み合わせによって約960万円から約6,500万円まで動きます。これは以下の一次資料を単純に足し上げた簡易試算です。

  • すべて公立+国立大学医学部: 約963万円
  • 幼稚園と高校が私立、小中は公立+私立医学部(最安): 約2,668万円
  • すべて私立+私立医学部(最高額): 約6,519万円

前提は次の3点です。第一に、幼稚園3歳から高校3年までは文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」の学習費総額(学校教育費+学校給食費+学校外活動費)を使っています。第二に、大学は6年制の医学部を前提に、国立は授業料の標準額、私立は大学が公表する学納金を用いています。第三に、下宿費や受験に要した費用、きょうだいの分は含んでいません。したがって実額はこれより増える方向に振れます。

総額の幅を決めているのは、平均値ではなく2つの分岐です。1つは小学校と中学校を私立にするかどうか、もう1つは医学部が国立か私立かです。前者は15年間で最大1,300万円規模、後者は6年間で最大4,200万円規模の差になります。それ以外の変数、たとえば習い事を1つ増やすかどうかは、この2つの前に埋もれます。

図1: 0歳から医学部卒業までの年齢帯別の教育費と、累計が跳ねる2つのタイミング

0〜2歳: 金額は小さいが、積立の開始時期がここで決まる

未就学のうち保育所や幼児教育の無償化対象外となる部分は、世帯によって差が大きく、公的統計で一律の金額を示せません。ここで押さえるべきは支出額よりも、児童手当の扱いです。

児童手当は2024年10月分から所得制限が撤廃され、所得にかかわらず全額支給となりました。あわせて支給対象が高校生年代(18歳の誕生日以後の最初の3月31日まで)に延長されています。支給額は第1子・第2子で3歳未満が月1.5万円、3歳から高校生年代までが月1万円、第3子以降は月3万円です(政府広報オンライン)。

所得制限が撤廃される前は、高所得の医師世帯は支給対象外か特例給付にとどまっていました。制度が変わったことに気づかず申請していない世帯があります。第1子を0歳から18歳まで通算すると、単純計算で約234万円です。金額としては総額の数%ですが、受け取れるものを受け取っていないだけの状態は、この後の議論の前に片づけておく価値があります。

もう1点、この年齢帯の意味は時間です。0歳から18歳までは216か月あります。医学部が私立になった場合の学納金1,830万円を、この期間で均等に用意するなら月8.5万円弱、4,550万円なら月21万円強です(運用益を考えない単純割り)。これは目標額の提示ではなく、開始時期を遅らせるとどれだけ月額が跳ねるかを確認するための計算です。10歳から始めると残りは96か月で、同じ1,830万円でも月19.1万円になります。

3〜5歳: 幼稚園の公私差は年16万円

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、1年あたりの学習費総額は公立幼稚園が184,646円、私立幼稚園が347,338円です。公私比率は1.9倍です。3年間の合計では公立532,177円、私立1,038,087円となります。

この時期の特徴は、学校教育費より学校外活動費の割合が大きいことです。公立幼稚園では学習費総額のうち54.2%、私立幼稚園では45.4%が学校外活動費でした。習い事や体験活動の支出であり、ここは世帯の判断で動く部分です。逆に言えば、統計の平均値を自分の家計にそのまま当てはめても意味が薄い区間でもあります。

6〜11歳: 公私差が最大になる6年間

小学校は公私の差が最も開く学校種です。1年あたり公立366,599円に対し、私立1,741,516円で、公私比率は4.8倍です。6年間の合計では公立2,197,261円、私立10,457,700円となり、差は約826万円に達します。

内訳を見ると構造が分かります。私立小学校の学校教育費978,271円のうち、授業料が510,823円で52.2%を占めます。一方、公立小学校の学校教育費74,336円で最も大きいのは「図書・学用品・実習材料費等」の26,860円で、授業料の項目はありません。私立を選ぶかどうかが、そのまま授業料の有無になって現れます。

なお公立を選んだ場合も、学校外活動費が256,489円で総額の70.0%を占めます。公立だから教育費がかからないのではなく、支出の行き先が学校から塾や習い事に移るだけ、という読み方が実態に近いです。

図2: 幼稚園3歳から高校卒業までの15年間の学習費総額(4ケース)

12〜14歳: 中学受験を選ぶと累計が最初に跳ねる

中学校の学習費総額は年あたり公立542,450円、私立1,560,359円です。3年間では公立1,626,133円、私立4,671,589円になります。

ここで注意したいのは、公立中学校でも総額が年54万円台に上がる点です。学校外活動費が356,018円あり、総額の65.6%を占めます。公立中学校に通いながら高校受験や大学受験に向けた通塾をするパターンが平均値に反映されているためです。

また私立中学校の学習費総額は、令和3年度調査の4,303,805円から令和5年度調査の4,671,589円へと、3年間合計で36万円以上増えています。私立小学校も9,999,660円から10,457,700円に増えました。文部科学省は「特に私立小学校、私立中学校においては十万円以上の増加」と記載しています。試算を数年前の数字で置いたままにしていると、下振れします。

中学受験を選ぶと、小学校高学年の通塾費と私立中学の学費が連続するため、累計の傾きが最初に変わるのはこのタイミングです。医学部進学まで見る場合、ここで使い切らない設計にできるかが後半に影響します。

図3: 学校種別・公私別の1年あたり学習費総額の比較

15〜17歳: 2026年度から私立高校でも所得制限がなくなった

高等学校(全日制)の学習費総額は年あたり公立596,954円、私立1,179,261円です。3年間では公立1,784,895円、私立3,521,361円になります。公私比率は2.0倍で、小学校の4.8倍に比べると差は小さくなります。

この学年帯で2026年度に制度が変わりました。高等学校等就学支援金は、2026年4月から所得制限が撤廃されています。私立高校については支給上限額が、従来の年額396,000円(年収約590万円未満の世帯が対象)から、全国平均授業料相当額の457,200円に引き上げられました。公立高校(全日制)の支給額は年額118,800円です(文部科学省「令和8年度高等学校等就学支援金制度等に関する都道府県担当者等説明会」資料)。

医師世帯にとっての意味は明確です。これまで所得制限で対象外だった層が、私立高校でも年45万7,200円を上限とする支援を受けられるようになりました。私立高校3年間の学習費総額352万円に対し、授業料部分の負担が実質的に軽くなります。ただし支援されるのは授業料であり、施設費や学校納付金、学校外活動費(私立高校で年346,611円)は対象外です。総額が無償になるわけではありません。

一方で、高校の授業料が軽くなった分をそのまま消費に回すと、次に来る医学部6年で足りなくなります。制度で浮いた分を18歳以降に回せるかどうかが、この3年間の実質的な論点です。

17〜18歳: 統計に出てこない受験期の支出

高校3年から入学までの間には、公的統計で平均額が示されていない支出が集中します。医学部は複数校に出願するのが一般的で、出願校数に比例して受験料がかかります。地方在住で都市部の大学を受ける場合は、一次試験と二次試験のたびに移動と宿泊が発生します。私立医大は一次合格後の二次試験が大学ごとに別日程で組まれるため、回数が読めません。

さらに、進学先が決まる前に入学手続金を納める場面があります。第一志望の合格発表前に、先に合格した大学の期限が来るケースです。この納付金は、後で入学を辞退した場合に授業料相当分は返還されるのが通例ですが、入学金相当分は返還されないのが一般的です。金額は大学ごとに異なるため、志望校の募集要項で返還の取扱いを確認する以外に方法がありません。

浪人を選んだ場合は、この1年分の予備校費用と生活費が積み上がります。医学部専門の予備校の費用は各社が公表していますが、公的な平均値はありません。ここは統計で置かず、志望パターンごとに自分で積む領域だと割り切るほうが早いです。

いずれも1件あたりは数万円から数十万円で、総額に対しては小さく見えます。ただし発生時期が18歳の1〜3月に集中し、その直後に入学時納付金が来る点が問題です。年単位の予算では足りていても、月単位で詰まる区間になります。

18〜23歳: 医学部6年。国立と私立で必要額が10倍以上動く

ここが最大の区間です。

国立大学医学部の場合、授業料の標準額は年535,800円、入学料は282,000円です(国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 第2条第1項の表)。6年間の授業料と入学料を足すと3,496,800円、約350万円になります。なお同省令第10条は、特別の事情があるときは標準額に120%を乗じた額を超えない範囲で各国立大学法人が定められると規定しているため、大学によってはこれより高くなります。

私立大学医学部の場合、6年間の学納金は大学が公表しています。最も低いのは国際医療福祉大学医学部の18,300,000円(1,830万円)で、内訳は初年度4,300,000円(入学金1,500,000円+授業料1,900,000円+実験実習費600,000円+施設設備費300,000円)、2年次以降が毎年2,800,000円です。最も高いのは川崎医科大学の45,500,000円(4,550万円)で、内訳は初年度10,500,000円(入学金2,000,000円+授業料2,000,000円+教育充実費6,500,000円)、2年次以降が毎年7,000,000円です。同大学では1学年時に教育寮への入寮が義務づけられており、寮費800,000円と食費360,000円が学納金とは別に必要と公表されています。

つまり同じ「医学部に合格した」でも、進学先によって350万円から4,550万円まで、13倍の幅があります。合格発表から入学金の納付期限までは短く、私立の場合は初年度に1,000万円規模の現金が動きます。ここは積立の残高ではなく、その月に動かせる現金の問題です。

図4: 私立大学医学部6年間の学納金の幅と、国立大学医学部との比較

自宅外通学になる場合は、この上に住居費と生活費が乗ります。仮に家賃と生活費を合わせて月12万円と置くと、6年間で864万円です。これは前提を置いた簡易試算であり、地域と生活水準で大きく動きます。金額の精度より、学納金とは別枠で6年分を見込む必要があるという構造を押さえてください。

学納金の外側にも支出があります。教科書と参考書、実習に使う器具や白衣、共用試験や国家試験に向けた対策の費用、大学によっては海外臨床実習の積立金や後援会費です。国際医療福祉大学医学部は、学納金1,830万円のほかに海外臨床実習積立金7万円と教育後援会年会費4万5千円が毎年必要と公表しています。金額の水準は大学ごとに違いますが、学納金の表を見ただけでは完結しないという構造は共通です。

もう2つ、見落とされやすい点があります。1つは留年です。川崎医科大学は「留年時の教育充実費は再度履修する年度に属する金額に変更されます」と明記しています。6年で卒業する前提の総額は、あくまで最短の場合の数字です。もう1つは学費改定です。表に出ている学納金は入学年度の条件であり、在学中の改定可能性まで含めて公表している大学は多くありません。6年という期間を考えれば、総額は上振れ方向に幅を持たせておくのが実務的です。

谷はいつ来るか: 支出のピークと収入の伸びがずれる

年齢帯ごとの積み上げを終えると、谷の位置が見えます。

第一の山は12歳前後です。中学受験を選んだ場合、小学校高学年の通塾費と私立中学の初年度納付が重なります。ただし金額は年150万円規模で、勤務医の収入で吸収できる範囲に収まることが多いです。

第二の、そして本質的な山は18歳です。私立医大なら初年度に1,000万円規模、以降5年間は年700万円規模が続きます。国立でも自宅外なら年150万円前後が6年間続きます。この6年間は、どれだけ収入が伸びても、支出の伸び方が先に来ます。

収入側の目安を置きます。厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(令和5年実施)によると、一般病院の常勤医師1人あたりの平均給料年額と賞与の合計は14,610,739円、病院長は26,334,663円です。年収1,461万円の世帯で、年700万円の学納金を給与だけから払うのは、所得税と社会保険料を差し引いた後の手取りから考えると現実的ではありません。額面と手取りの差がどこで生じるかは勤務医の年収、手取りはいくら残るかで分解しています。

そしてこの6年間は、多くの場合、先生自身が48〜55歳にあたります。住宅ローンの残債があり、親の介護が始まる時期とも重なりやすい年齢帯です。第二子がいれば、その教育費とも並走します。谷が深くなるのは、教育費が高いからではなく、他の支出と同時に来るからです。

収入側の伸び方にも構造があります。同じ調査で、一般病院の病院長の平均給料年額と賞与の合計は26,334,663円です。常勤医師の14,610,739円との差は約1,170万円で、私立医大の学納金1年分に相当します。役職や勤務形態が変われば収入は動きますが、それが動くのは多くの場合50代であり、子が18歳になるタイミングを自分で選べるわけではありません。順序が逆になる前提で組んでおくほうが安全です。

また、この区間に収入を増やそうとして勤務先を増やす、あるいは独立に踏み込むという判断は、働き方の負荷が最も高い時期に変更を重ねることになります。教育費のために選択肢を狭めないためには、支出のピークが来る年を先に知っておくしかありません。

図5: 年齢帯別の支出と世帯の余力の関係(概念図)

きょうだいが2人以上の場合: 谷が重なる年を先に特定する

子が2人以上いると、積み上げの形が変わります。ポイントは総額が2倍になることではなく、重なる年があるかどうかです。

年齢差が2歳なら、第1子が医学部1年のとき第2子は高校2年、第1子が3年のとき第2子は大学1年です。第1子の2〜3年次と第2子の入学時納付が同じ年に来ます。仮に両方が私立医大最安水準だとすると、その年だけで学納金は1,000万円を超えます。これは前提を置いた簡易試算ですが、年齢差が1〜3歳のときに最も重なりが強くなる、という構造自体は年齢差から機械的に決まります。

年齢差が6歳以上あれば、第1子の医学部6年が終わったあとに第2子の6年が始まるため、年ごとの負担は平準化されます。ただし期間は12年に伸び、終わる時期が先生の60歳前後にかかります。退職金や役員報酬の設計と重なる領域になるため、教育費だけを切り離して考えにくくなります。

どちらの形であっても、やることは同じです。子の生年から各人の18歳と24歳の年を書き出し、同じ年に並ぶ支出を足す。重なる年が特定できれば、そこだけを先に手当てする話に変わります。

使える制度と、2026年に閉じた制度

資金計画を立てる前に、制度の現況を確認します。

すでに触れた児童手当(所得制限撤廃)と高等学校等就学支援金(2026年4月から所得制限撤廃)は、医師世帯でも使えるようになった制度です。申請が前提なので、受給状況の確認から始めるのが早いです。

閉じた制度が1つあります。直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置(1,500万円まで)です。国税庁は「令和8年3月31日までとされていた適用期限が延長されずに終了することとされたため、令和8年4月1日以後については、この特例の適用を受けることはできません」としています。今日の時点で新たに使うことはできません。令和8年3月31日までに適用を受けた信託受益権や金銭には、引き続き非課税が適用されます。

祖父母からの援助を前提にした資金計画を持っている場合は、前提が変わったことになります。もっとも、扶養義務者が必要な都度支払う教育費は、従来から贈与税の課税対象外です。一括で1,500万円を移す手段が閉じただけで、都度払いという選択肢は残っています。どちらを使うかで相続まで含めた設計が変わるため、税理士に確認する領域です。

扶養する子が3人以上の世帯には、2025年度から高等教育の修学支援新制度の枠が広がりました。所得基準の制限なく授業料等の減免が受けられる仕組みで、私立大学の場合の上限は授業料が年70万円、入学金が26万円です(文部科学省「高等教育の修学支援新制度」)。授業料の全額が無償になる制度ではないため、私立医大の学納金に対しては一部の軽減にとどまります。また要件が「扶養する子供が3人以上」であることに注意が必要です。第1子が卒業して扶養から外れると、残る子が在学中でも要件を満たさなくなる設計です。該当しうる世帯は、何年目まで要件を満たすのかを先に確認してください。

税額の側では、19歳以上23歳未満の子は特定扶養親族に該当し、所得税の扶養控除額は63万円です。医学部在学中の6年のうち、この控除が使えるのは4年間です。控除額そのものは大きくありませんが、住民税と合わせて効きます。なお教育費を理由に節税策を急ぐ前に、医師・勤務医の節税、5つの誤解を一次情報で正すで前提を確認しておくほうが早いです。

資金計画の考え方: 目標額より「出所」を先に決める

ここまでの積み上げから導ける実務的な結論は、次の3点に絞られます。

第一に、上限額を先に決めることです。国立なら350万円、私立最安なら1,830万円、私立最高なら4,550万円です。どこまでを世帯の資金で負担し、どこからを子の奨学金や貸与制度に委ねるのかを、受験前に決めておく。18歳の2月に決める話ではありません。

第二に、18歳時点の現金化可能額を、住宅ローン残債と切り離して把握することです。借入の組み方そのものが18歳時点の余力を左右するため、医師の住宅ローン、審査で本当に有利なのは何かも併せて確認してください。教育費の議論は積立残高で語られがちですが、私立医大で必要になるのは合格発表後の数週間で動かせる現金です。解約控除のある商品や、含み損のある資産では代替できません。どの資産をどの時期に取り崩す前提で置くかは、医師の資産形成の始め方で扱っている前提整理と同じ話です。

第三に、高校までの15年間で使い切らない設計にすることです。15年間の学習費総額はすべて公立で614万円、すべて私立で1,969万円です(文部科学省)。この差1,355万円は、私立医大最安の学納金1,830万円の7割に相当します。高校まででどれだけ使ったかが、医学部6年の原資を決めます。

奨学金や学費貸与制度を使う選択肢もありますが、地域枠や自治体の貸与制度には卒後の勤務地・勤務年数の要件が付くことがあります。返還免除の条件は制度ごとに異なり、途中離脱時の一括返還を求められる設計もあります。子のキャリアの自由度を先に使う判断になるため、金額だけで比較しない領域です。

図6: 医学部進学を視野に入れた資金計画の確認7項目

加えて、金額の前提を毎年更新することをおすすめします。私立中学校の学習費総額は令和3年度から令和5年度で36万円以上増え、高等学校等就学支援金は2026年度に所得制限が撤廃され、教育資金の一括贈与の特例は令和8年3月末で終了しました。数年前に作った試算表は、支出も制度も現況と合っていません。文部科学省の学習費調査は隔年で公表され、各大学の学納金は毎年度の募集要項で確認できます。更新する場所は決まっているので、年に1回見直せば足ります。

まとめ: 次の一歩は「18歳の残高」を1枚に書くこと

医師の子供の教育費は、進路の組み合わせで約960万円から約6,500万円まで動きます。総額の平均値を知っても家計は動きません。動くのは、18歳時点でいくら現金化できるか、そのとき住宅ローンの残債がいくらか、私立になった場合に上限をどこに置くかを紙1枚に書き出したときです。

高校までの費用は文部科学省の統計で年単位の目安が取れます。医学部の学納金は各大学が公表しています。不確定なのは、進路と、そのときの世帯の状況だけです。先に確定している部分から埋めていけば、残る判断は多くありません。